home!

「に」


2006年鑑賞作品

虹の女神 Rainbow Song
2006年 117分 日本 カラー
監督:熊澤尚人 脚本:桜井亜美 斎藤美如 網野酸(岩井俊二) 後藤亜稀子
撮影:角田真一 藤井昌之 音楽:山下宏明
出演:市原隼人 上野樹里 蒼井優 鈴木亜美 相田翔子 小日向文世 佐々木蔵之介


2006/11/21/火 劇場(池袋テアトルダイヤ)
めったに来ない映画館だから知らなかった……テアトルダイヤって、こんなに上映環境悪かったっけ?だってずーっと暖房の音がブオーッ!としてるんだもん。ささやかな台詞とか聞こえづらくて、かなり気分をそがれてしまったのが残念。せっかく久しぶりの岩井俊二印の映画だったのに。

そう、岩井俊二印、なのよね。監督の熊澤印というよりも。正直言って熊沢監督作品は前作の「ニライカナイからの手紙」でかなり首をかしげてしまったので、この監督の名前ではあまり食指は動かなかった。デビュー作の「HOBOS」には新しい魅力をかなり感じてたのにな……って、何年前だよ。
でもホント、すごく岩井俊二っぽい匂いがするんだよね。企画から脚本から……最初の段階でスッカリ彼で固めてしまうと、そうなってしまうのかしら。それから監督にポンと預けたみたいな……キャストのインタビューで出る言葉も、まず岩井俊二ありきを口にするもんなあ。

なんて思いながらも、「リリイ」の市原隼人君&蒼井優嬢の顔合わせだというのをウッカリ失念していた。いやいや、双方共にリッパに活躍しているからさあ……しみじみ、となんかお母さん的な気分。
ラスト近くのシーン、二人が隣同士であおいの手紙を読んで座っているトコで、唐突に思い出して鳥肌が立つ。うわあ、リリイの二人が!って!
このシーンで智也(市原君)、あおいの気持ちに初めて気づいて、いや気づいていたはずだけど気づかないフリしてたからさ、だから突きつけられて、もう取り戻せない今に嗚咽を漏らして……それに対して、かな(蒼井嬢)が「バカだなあ、岸田さんもお姉ちゃんも」と涙をにじませるでしょ。
思い出しちゃったのよね。市原君が素人からいきなり抜擢されたリリイで、長台詞の独白シーンを克服できなくてカットされちゃったっていうエピソード、岩井監督が「アイツが成立させなかった」と苦笑混じりに苦言を呈していたこと。そのことを思い出したら、もうスッカリ任せられるようになって、こっちをジーンとさせてくれる市原君の成長こそに胸が熱くなってさ!(年寄りか!)

って、いきなりオチから言ってどうする!いやいやいや、本当に市原君と蒼井嬢の、岩井俊二指揮下での再顔合わせにグッときちゃったのよ。あの時蒼井嬢も映画は初めてで、市原君と同志的なものもあって、仲良かったみたいだしさ……って、だからそれはもういいって。
本作で最も意外だったのは、上野樹里の良さであった。元から彼女は評価は高い女優だったけど、正直私にはピンときてなかった。
初めて彼女をイイと思ったなあ。今までコミカルに使われている彼女しか観たことなかった(というか、そういう印象しかなかった)。それに作品自体も好きなものがなかった。

あ、でも「ジョゼ虎」の彼女は凄く良かったんだっけ!でもあの作品はヒロインの千鶴嬢があまりにもどーんといたからなあ……。
やはり役者の与える印象、あるいは好き嫌いは、作品の出来不出来、好き嫌いによってしまうのね。
樹里嬢演じるあおいは、映画を愛してやまない女の子。恋をしながらも、その気持ちを映画に託す。サバサバと男の子っぽくて、その中に恋の気持ちを封じ込めてしまうトコなんて、こないだ観た「ストロベリーショートケイクス」の中村優子を思い出す。

そして彼女と相対する市原君がまた、凄くいい。あおいの友達をストーキングする男として登場するインパクトも、彼のさわやかな純情さを全く失うことはない。普通なら女の子に当てられる「恋をしてなきゃダメなヤツ」ってキャラを、うっとうしいどころかチャーミングに演じられる男の子なんてそうはいない。
市原君はまだまだ発展途上だし、彼の作品はそれほど観てないのでなんとも言えないトコなんだけど、彼のいいところは素直な不器用さ、ここでは不器用さがリアルな自然さとなって、本当にそこにいる大学生みたい。
リリイからもう5年かあ。時の経つのは早すぎる!!!

んでもって、樹里嬢と市原君のやりとりは、そこにいる若者二人の会話を聞いているように、実にフレッシュでヴィヴィットなのよね。
あおいが智也をキミ、と呼びかけるのが何ともいい。青春の青臭さを凄く感じちゃう。
でもそのことで、智也を友達のバリヤーの向こう側に置いてしまっていることを、あおいは気づいていただろうか。彼を好きだからこそ、近いところに置いておきたくて無意識に張っていたのだろうけれど。
そのバリヤーは死ぬまで有効で、どんなに年月がたってから再会しても友達に戻れるけれど、ある一点を越えられない、触れられないのだもの。たまらないもどかしさ。
好きだと言って、一瞬でそのバリヤーが崩壊してしまっても、伝えてしまった方が、この苦しみから逃れられたのかもしれない。
ましてや、その一生が、こんなに短いと知っていたなら。

最初から、あおいの死は示されている。というのは、それこそ市原君が素晴らしかった「天使の卵」でもそうだったなあ。というか、世にいう純愛モノはまるでそれが条件みたいに、どちらか一方は必ず死ぬわよね。うーむ。

現在の時間軸で、智也はあおいから紹介された、映像製作会社のADをしている。
あおいから紹介された、というのもある程度過去にさかのぼって回想されないと判らない。なもんで、上司もあおいのことを知っていて、飛行機事故のニュースで智也とともに彼女の家に急ぐ、というのが、あら、どういう関係なのかしら、と頭を忙しく働かせ、更にこの上司が「アメリカに行けって言ったのはオレなんだ」と言ったりするもんだから、あららら、どうなっているのかしら、と更に悩む。
盲目の妹、かなとのやりとりにしても、何も示されない冒頭で、凄く含んだものを提示される。
しかもこの時点で、ヒロインのあおいはまだ登場していない。登場していないのにいきなり死んだと言われ、しかもこんな風に伏線をどんどん張り巡らすので、結構頭の中を整理しておくのが大変だったりして(ただ単に私がアホなだけかあ)。

あおいのバイト先のサユミをストーキングしていた智也は、あおいに近づく。他のバイト先を紹介するからとか、何とか彼女を呼び出してくれないかとか、一万円まで差し出して。あおいは映画を作るのに資金が常に不足していたもんで、ついついその申し出を受けてしまう。

彼が差し出した一万円は、キュッと畳まれて、指輪の形をしていた。

結局、サユミは智也を拒否するもんで取り引きは上手く行かず、あおいは智也にこの一万円を返すのだけれど、迷惑をかけたからと、彼からまたあおいの指に返される。
その時、空に横真っ直ぐの不思議な虹が浮かんでる。ふと空を仰ぎ見る二人、カメラがぐるっとひっくり返り、水たまりに映り込む二人の姿とその虹が浮かび上がる。
二人、手をとったままなのを忘れているかのように、そのまま空を見上げている一瞬は、まるでシャッターを切ったように止まった時間。
二人がそれぞれ、この場面をなぜか忘れずにいるのは、本当にこの時、シャッターが押されるように胸の中にしまわれたからじゃないのだろうか。

ここから、二人の関係は始まった。ザックリと仲の良い友人同士。あおいは智也を主人公に当て込んで脚本を書いた。「THE END OF THE WORLD」
智也はチャッカリ、主演女優の秋田美人、今日子に恋をする。ホント、女子高生みたいだよな、恋をしてなきゃいられないなんて。
映研かあ。いいなあ。凄く憧れた。私は滑り止めいっぱい受けてやっと引っかかった大学(凄くいい学校だったけど)に映研がなくて(今はあるらしい!)ガッカリした思い出があるんだもん。
こういう学生生活送りたかったなあ……でもウチのガッコの視聴覚室のLD(ってあたりが時代ね)は充実してて、空き時間は過去映画観まくりだったけどさ(しかも受け付けしてた女の子が超好みだった!)。なんて話はどーでもいいのだが。

智也自体は、映画に興味があるというわけではなかったんだよね。でもあおいの情熱に引きずられる形で被写体になり、後に作り手の側に入ることにもなる。
あおいにとっては、せめてもの、あがきだったのかもしれない。いつでも自分以外の、そう、いかにも恋の対象になるようなカワイイ女の子に恋をしていた彼を、せめて自分の世界につなぎとめておく手段。
自分は、そんな女の子女の子なキャラにはなれない。それに、いつでも成就しない彼の恋を後押ししてた。ほら、結局はそうなんじゃない、って。自分が一番そばにいる、彼のことを知ってるじゃないって。
でも、そう思ってしまったら、余計に好きだなんて言えなくなったんじゃないの、ねえあおい……。

こんな風に気のおけない友達同士で、でも気持ちが通じなくて、果ては死んでしまうなんて、言ってしまえば思いっきりベタな少女漫画の世界だとも言える。
ってことに気づいたのは、あおいと智也が屋根の上に座って、二人で語らったり、ケガをした智也の手当てをしたりしている場面があること。
いくらなんでも屋根の上に登ってまで、ケガの手当てをするのは不自然だもん。少女漫画的なことは判ってるよ、ってことを意図的に示しているようにも思えるのね。

秋田美人の今日子は、酒井若菜が演じるぐらいだもの。まあ年は……アレだけど、その秋田訛りもチャーミングな、いかにも恋の対象になるべき女の子。ふんわりとした白いワンピースもよく似合ってる。
でもあおい、智也が今日子を気に入ってしまったことを察知したからだったのかなあ。「ハイ!そこでブチューと!」だなんてキスシーンを強要する。イチかバチかのカケだったように思う。
もちろんそれは、あおいが自分の作品にこだわっているからとも見えたけど、智也と出会ってから、自分自身だって女の子であることから殊更に逃げ回っているようにも思えたから……。

結果、監督であるあおい主演で撮り直すことになる。いつも動きやすいジーパン姿でアニキ肌って感じに自身を演出していたあおいは、ヒロインとなるべく白いワンピースを着ると……当たり前だけど、ちゃんと女の子なのだ。
でもね、それはスクリーンに映し出されるまで、つまりヒロインとして成立するまで気づかないの。智也はもちろん、あおい自身も、そう思われないようになのか、監督としての厳しさを押し出していたから。
それに、その問題のキスシーンだって、照れ隠しなのか、噛みついちゃう始末だし。でも、その後に、キッチリとロマンチックなキスシーンもちゃんと撮ってる。ただ、その撮影シーンは示されないんだよね。ただそこに、ぽんと理想のキスシーンがあるだけ。
夢のように回り、回る、キスシーン。

でも、その映画のラストシーンは、あまりにも皮肉だった。世界の終わりの映画のはずが、結局は全てが夢?で、終わりだったのは彼女だけだった。病気なのか事故なのか、病院のベッドに横たわった彼女の手を彼が握って、そのまま彼女は旅立った。
まるで暗示している。いや、手を握ってもらって旅立つことさえ、叶わなかったけど。彼からの写メールとメッセージだけが、彼女の側にあった。

という結末は、まだ少し先にある。
脇キャラが関わることになるいくつかのエピソードの中でも、当然ながらバツグンの存在感を示すのは、蒼井嬢扮するあおいの妹、かなである。
この盲目の妹を、「人見知りで、ほとんど対人恐怖症」だと、あおいはとても心配しているんだけど、その実かなは視力以外の感覚を研ぎ澄まさせて察知する、とてもしっかりとした女の子なんだよね。
それにしても蒼井優である。可愛いだけじゃなく、このセンシティブ。素晴らしすぎる。結局、岩井俊二の元に残った最強の女の子は彼女だったのだね。

あおいはかなとお祭りに行く。そこに智也もコッソリ同行している……んだけど、かなは最初から気づいてる。
あおいがカキ氷を買いに席を外すと、ひとり言のように「お姉ちゃん、はしゃいでる。岸田さんが一緒だからかな」なんてカマかけて、もうバレバレじゃん。
かなはお姉ちゃんからの話で、智也を好きだってこと判ってて、だから気配だけで敏感に察知したんだろうなあ。
そうなんだよね……この時点でかなだけが、二人の気持ちに気づいてる。
智也に至っては、あおいへの思いを自分自身でさえ気づいていないんだから。
智也がかなと再会するのはずっと後、共有する大切な人を失った時になる……。

もう一人、智也と深く関わる脇キャラは、相田翔子。これがビックリ。押しかけ恋人なんだもおん。
そもそもは大学卒業後、あおいと久しぶりに会った智也のことを、「恋をしないとオーラがない」と心配して、デートバーに連れて行ったことが始まりだった。
しっかしこれ、皮肉っつーか、あおいのこのアマノジャクな気持ちはいかにも女の子らしいけど、男の子にしては計りかねるんだろうなあ。
あおいは多分、智也にお義理でもなんでもいいから、自分を指名してほしかったんだと思うんだけど……。

それにしても、智也のこのキャラ設定は珍しいよね。女の子ではそういう恋愛体質なキャラはよくあるけど。
「オーラがあったよ。私の映画に主演していた時は」というあおいの台詞はちょっとした自負?でもその時、彼は他の女の子にかるーく恋してたのに。そう、あくまでかるーくだけど。
で、相田翔子はというと、そのデートバーで5分だけ喋った相手だった。これがかなりイタイ女なんである。
会話からハートマーク連発で、ふっわふわのオトメチックを演出、教えた覚えもないのに智也の家を知ってて、待ち伏せしてる。あがり込んで、料理作って、もちろんセックスして既成事実を作るのも忘れない。

果ては「妊娠した」と、しかもハッピーな調子でウソを言って赤ちゃんのための誕生パーティーまで仕掛ける始末。引くに引けず、彼女の両親に挨拶に行ってみたら「妊娠はしてなかった」しかも、どうやら家族ぐるみでこのウソを固めていたらしく、年までゴマかしていたんである。
「34歳じゃいけないの。26歳よ」「いや、34歳にしか見えない」 うっ……34歳を連発しないでよ……切なくなるじゃん(なぜとは聞くな)。
まあ、彼女が26歳だと言った時にはアレッと思って、雲行きの怪しさを感じたけど……いいじゃん、相田翔子ならいいじゃん。34歳をイタイ存在にしないでよ……はあ(いやだからね……)。
相田翔子だからこそリアルにイタイのかもしれないけど……彼女の夢見る演出が、現実的に計算づくで、なんかもう、生々しくて見てられなかった。
それに市原君は劇中で24だけど実際は19だし、彼女は実際には36だし(10差と17差は違い過ぎるだろ!)、余計にイタイんだよな……。

ちょっと時間がさかのぼって、このデートバーでの帰り道、あおいと智也の間に決定的なシーンがあるんである。
智也が酔った勢いであおいにプロポーズするんだよね。でもね、本当にたわむれなの。「俺たち、結婚してみっか」みたいな。何で俺たちじゃダメかな?みたいな。
そりゃ、お互いのこと何でも言い合って、特に智也はカッコ悪いトコもあおいにバレバレだし、本当に、友達のジョークで言ったんだろう。しかもあおいをひしと抱きしめてみたりさえする。ジョークで返せなくて固まるあおい。
だからこそ、あおいは怒る。智也がジョークだってこと判ってるから、あんまりだもの。
でもこの時のあおいの台詞はね……まるで自分の運命を予期していたかのようなの。だって、こんな風に言うんだよ。この先、自分がプロポーズされることがなかったら、これが一生一度のプロポーズになっちゃうじゃない、って。どうしてくれんの、私の人生をメチャクチャにした!って、智也を突き飛ばして、ケリ入れて怒るの。

思いもかけないあおいの反応に、そして智也にとっては大げさにしか思えないあおいの台詞に、彼はただただ目を丸くするばかり。
あおいは、くしゃくしゃに泣いて、で、子供のように駆け出してしまうんだ。
確かに智也が驚くのも無理はない。だって、あおいがほどなく死ぬと思ってなければ、後半の台詞など思いつかないよ。
いや、あおいにとって彼がもうただ一人だったから、そのただ一人からプロポーズを冗談にされてしまったから、もう世界は終わってしまったんだ。まさに世界の終わりだったんだ。
でも、智也に抱きしめられた時のあおいの気持ちも判るから、そしてジョークとはいえ彼からのプロポーズを聞いた時の心臓の高鳴りも判るから、ただただ取り乱してしまった彼女が判るから。
ほんっとうに、ドンカンの、バカヤロウなんだから!
でも、でも……彼だってジョークにしてもそういう台詞が出るっていう理由があるはず。でもそれはなんたってこんなバカヤロウだから、まだ気づかない。決定的なことがなければ、気づかないんだ。

あおいがアメリカに行くと聞いて驚く智也に、彼女は「失恋したから、日本から逃げるんだ」と言う。智也はまたしてもバカヤロウのドンカンさで、「それ誰?」と言う。何かを飲み込んで、「教えない」と下を向くあおい。
「その好きな人に、行くなって言われたら、行かないと思う。私、弱いんだ」
この時、一瞬の間があって、智也は気づいたのかなと思ったんだけど、次に出たのは、なんだか中途半端な台詞だった。
「日本にいればいいじゃん」
あおいは眉根を寄せる。涙を我慢しているのが判る。独り言のようにぽつりと、「そばに、じゃないんだ……」
「……え?」お前、ほんっとうに、聞こえてないわけ!?

智也があおいにそばにいてほしいと言うまでには、一体何年待てば良かったんだろう。あれだけ惚れっぽいくせに、本当に必要な女の子のことも判らないバカに。

そしてこれが最後だった。次にあおいの名前を聞くことになるのは、テレビのニュースでだった。
あおいは、就職した映像製作会社の上司に世界を見ろと言われて、単身アメリカに飛び立った。そして飛行機事故に遭って、死んでしまった。
しっかしこの佐々木蔵之介演じる上司も、酔った勢いっつーか、かなり無責任にそんなこと言っちゃってさ、「オレの説教に本気になったヤツは初めてだ」といささか戸惑って、しかもこんな形で死んじゃったもんだから、かなりうろたえてるのよね。「オレがアメリカ行きを勧めたのはナイショな」なんて言っちゃってさ。
コイツのエラソーな説教なんか問題にならないぐらい、あおいは真剣だったのに。

大体この上司さー、「(あおいは)小川紳介以来の才能だと思った」とか言ったり、コダックのフィルムやカメラに盛り上がったり、知識の露出欲がありありと感じられて、いるよなー、こーゆーヤツとか思っちゃうよね。
それにね、あおいがこの会社にいるのだって、フツーに就職しようとしていた彼女に、智也が「映画(の仕事)に行きなよ」って言ったことが作用しているんだってことをさ、智也は絶対、自覚してないよね。
ホントにもう、バカなんだから男どもは!

少しだけ焼け焦げたあおいの携帯電話と、智也が頼んだ今日子へのラブレターの代筆が、涙を搾り取る。
お姉ちゃんの気持ちを誰よりも判っていた妹のかなが、このドンカン男に見せてくれた。
智也の虹のメールは届いていた。きっとあおいが最後に聞いた声は、彼の声だった。
そして……「フラれたらストーカーになる」なんてヒドいこと書いてるラブレターの代筆は、でもその書いてるあおいの愛があふれてて、それだけであおいが智也を好きだってこと、誰が読んでも判る内容で……でも極めつけは、そのラブレターの裏に書かれた言葉。
箇条書きに書かれた、好きの言葉。鈍感なところが好き、ってだけで、智也のことだと判るけれど、その最後を締めくくっているのは、「笑顔が好き」……いつも無邪気に笑う智也を軽くあしらっているように見えたのに。

虹の七色はね、映像を構成するすべての色を示唆しているよね。映画が好きで好きでたまらなかった、あおいにとっての全て。そして、思い出の全て。
虹、七色、色、といえば、目の見えないかなが、しかし色という概念を強く認識していることも印象的である。
お姉ちゃんや智也の気持ちが、本人以上にかなに響いてくるのは、見えている世界よりも、心の中の色彩をより生々しく感じているからではないのか。
だから蒼井嬢がほかの誰よりも印象的に映るんじゃないのかなあ。★★★☆☆


2番目のキス/FEVER PITCH
2005年 103分 アメリカ カラー
監督:ピーター・ファレリー/ボビー・ファレリー 脚本:ローウェル・ガンツ/ババルー・マンデル
撮影:マシュー・F・レオネッティ 音楽:クレイグ・アームストロング
出演:ドリュー・バリモア/ジミー・ファロン/ジャック・ケーラー/アイオン・スカイ/ジェイソン・スペヴァック/スコット・H・セヴェランス/ケイディー・ストリックランド

2006/7/18/火 劇場(渋谷アミューズCQN)
もはやロマンチックラブコメの女王はドリューだもんねー、とドリュー、ラブ!の私は意気揚揚と出かけるんである。
しかしさあ、何もここまでキスシリーズにこだわらんでも。サイトのイントロダクションもストーリーの解説も、この邦題に気使いすぎだしさ。しかも「そんなヒロインの気持ちがタイトルに込められてる」って、日本だけのタイトルでしょーが!!ヤメろよー!って、何もそんなに怒ることない?
いやいやだってさ。監督もコンセプトも全然違うじゃん。解説もこじつけで2番目のキスなんて意味判らんし。これじゃドリューのラブコメ好きの人しか触手を動かさないじゃん!もったいない……だってさあ、だってさあ、阪神ファンとか見たらきっと感涙するって!
まあ、直訳しちゃうとダサい原題ではあるけどさ……。
それにドリューが、感動ラブコメで花開いたのは、「ウェディング・シンガー」なんだから!(とまたイカる私)

この原作の映画化は二度目だという。そもそもはサッカー狂の男を描いたベストセラーで、最初の映画化はそのとおり、サッカーファンの話。それは未見なんだけど、野球になるとぐっと日本人に身近な世界になるのは、ヤハリよね。
だってねー、ホント阪神みたいなんだもん。なんて言ったら怒られるかな……でもさ、このレッドソックスのファンたちがどこか自嘲気味に口にする、「およそ100年、ワールドシリーズで優勝していない」「ベーブルースが去った後の、バンビーノの呪い」「レッドソックスの負け方はもはや芸術的」等々という言いっぷりがあまりにも阪神をほうふつとさせるんだもん。
強いレッドソックスなんかレッドソックスじゃない!ぐらいの負け惜しみで、しかし応援は実に情熱的でってあたりもソックリ。

で、当然、ヤンキースが巨人なわけ。名選手が巨人に行ってしまうってあたりも、ホントまさしくでさ。
でね、数十年ぶりの奇跡的な優勝を果たしてしまうあたりまで、実に阪神っぽいのだけど、これがオドロキ!
私はてっきりね、実際のレッドソックスの快進撃から生まれたストーリーかと思ったの。監督のファレリー兄弟も熱烈なレッドソックスファンだっていうしさ。しかし違うの、撮影中にこの奇跡が起きて、脚本を変えたんだっていうんだもん!!
しかもである。
“ワールド・シリーズでカージナルスに3連勝したレッドソックス、4戦目に緊急召集をかけられたジミー・ファロンとドリュー・バリモアもかけつけ”ドリュー曰く
「最後のシーンを、ワールド・シリーズで撮影するなんて想像できる? 86年も運に見放されていたチームなのよ。そんな彼らの優勝の場に私たちが立ち会って、このラブストーリーの最高潮の瞬間を撮影できたなんて!」

スッゲーーーー!!!!!

なんて、まるで私自身がレッドソックスファンかのごとく興奮してるが。
でもこの映画を見ると、涙ぐましいソックスファンのベンが愛しくなると同時に、なんかレッドソックスを応援したくなっちゃう。劇中の彼女も最初は愛する彼のためにレッドソックスを知ろうとするわけだが、映画のラストには彼と共に興奮しまくりで試合を応援しているんだもん。
無論、そうなるまでは長い長ーい紆余曲折があったのであった。そもそもベンは最初、リンジーに自分が熱烈なレッドソックスファンだということを隠していた。今までそのことで、何度も女性と上手くいかなかったから。
しかも、しがない高校の数学教師である自分と比べて、リンジーはバリバリのキャリアウーマンで、まさに勝ち組。収入も見るからに彼女の方が上そうである。

二人が出会ったのは、彼が生徒たちを引き連れてきた社会科見学でのこと。ビジネスコンサルタント会社で多忙な時間を割いて彼らを案内してくれたのが、リンジーだったのだ。
生徒たちは美人でクールなリンジーに興奮気味で、先生にはとても落とせないね、なんて言う。その挑発に乗る形でベンはリンジーをデートに誘うところから始まるのである。
恐らく子供ながらのカンで、先生がこの美女にクギヅケだったことを見抜いたんじゃないかと思われる。ふふふ、カワイイ。

全編を通して、仕事のレベルから趣味の違い、優先順位の違い等々と二人の違いが恋の障害になる展開なんだけど、この最初の場面で、実は二人には根っこの部分で共通するものを持っていることを示してるのよね。しかもかなり本質的な部分。
ベンはエネルギッシュに数学を教える、生徒に大人気の先生。そのノリノリの授業は、隣のクラスからうるさい!と苦情がくるぐらいなんである。
一方、リンジーは見学に来た生徒たちに、「目に入ってくる数字を並べ替えるクセがある?そんな数字大好き人間には最高の職場よ」と語る。
すると、ひとりの生徒が「僕の秘密がバレた!」と目を丸くして嬉しそうに叫ぶのだ。理数科の生徒たちなのかなあ。
つまり二人とも数字、数学オタクで、これって野球ファンとか仕事中毒よりずっと運命的な出会いじゃんと思うわけ。劇中では殊更に触れられないのがもったいない気がするのだが……。
そういやあ、「博士の愛した数式」の博士も、数字の美しさが隠れているからこそ野球ファンだったっけなあ。

まあ、ベンの場合はもっと幼い頃の強烈な刷り込みによっての、レッドソックスファンなわけだが。
母子家庭で育ったベン、引っ込み思案の息子を心配した母が、伯父にどこかへ連れて行ってくれないかと頼んだ。で、どこに行ったかというと、この伯父が熱狂的ファンのレッドソックスの球場だったわけ。
子供のいない伯父は、子供の扱いは苦手だった。そうなると、自分の行動範囲、知っていることでしか接せられない。でもその遠慮のなさが、子供の彼にホンモノの衝撃を与えた。
強烈なヤジも飛ぶ、熱狂的な応援。選手たちの躍動感。
そして、その時既に少年のベンに声をかけてくれたアルをはじめ、球場でたくさんの“家族”が出来た。彼曰く、“夏の家族”

一方、リンジーが出会ったのは冬の彼なんである。後に彼女はレッドソックスを最優先する夏の彼についていけず、二人は危機を迎えるのだ。
ところで、私はドリューは少々ポチャポチャしてるぐらいが好みなのだが、スレンダーになっちゃったな。
あ、顔の肉が落ちたのか。そうなのよ、女も30の声を聞くとね……メイクもちと濃いし。
ま、キャリアウーマンという役どころだからね。でもこれもドリューに振るような役ではないのだけどね。突っ張ってるけど実はカワイイというギャップは、最初からカワイイ彼女には当てはまらないんだもん。

なんてブツクサと思いながらも、リンジーがベンとの最初のデートでいきなりゲロってるあたりは、ドリューでなければ出来まい!と拍手喝采したくなるんである。
リンジーのマンションを訪ねたベン、「今日、初めて入った店の食事に当たった」という彼女は明らかにヤラれてる。もうドリューのこのヤラレっぷりのデスメイクが、サイッコーなんである。で、彼女はエレエレエレと吐きまくり。
そのもののシーンは映さないながらも、映さないだけに、その嘔吐の音(エレエレだもん!)と台詞がすんごいリアルで、実にしたくもない想像力をかきたてられちまうんである。
だって、飼っている犬に「ああ、ダメよ食べちゃ……ああ、もう、最悪」だよ、もうサイコー!

この時ベンが献身的に世話してくれたこともあって、二人の交際は順調にスタートする。
しかしこの時ベンが借りてきているビデオが「日本のポルノアニメ」って、なんだよ……まあいいけど。
で、リンジーは早速、友達の集まるパーティーで彼を紹介するのね。この時点でリンジーは、ベンが熱烈なレッドソックスファンだということに気づいていない。
彼女の友達たちは、そもそもリンジーが「教師のベン」と付き合うことに懐疑的なんだよね。収入が違うとかヤイヤイ言う。それに対してリンジーが「ちゃんと働いてるわ」みたいに返すその言い方もねえ……。
そう、教師のベン、といつも彼をそう呼んで友達に話しているから、とっさに彼の苗字が出てこないあたり、なんか物語ってるよねー。
ベンが、「僕をいつも教師のベンと言っているんだろ」と察するぐらいだもん。
「あなたは私をなんて紹介してるの?」「ゲロ女のリンジー」(笑)
イヤミにならないあたりが凄い。

おっと、話が脱線したけど、で、ベンを紹介された友達たちは一様に好意的に受け止めるものの、「あれだけチャーミングで今まで独身だっていうのは、ウラがある」と疑うわけ。
一方で、友達の夫たちには、ベンがレッドソックスファンだともうバレてる。バレてるというか、恐らくこの夫たちは皆、ベンと同じようにレッドソックスのファンなのね。ベンほど熱狂的ではないにしても、地元だからさ。
でも妻にはあまり言えないでいるらしい。で、シーズンチケットを持ってるベンに、うらやましげアリアリなの。
ホントはこんなパーティーをやりたいのは妻たちだけかもしれないなあ……。このパーティーってのが、実に重要なキーワードなんだけどさ。

リンジーは、休暇にベンを家族に紹介しようとする。ここでベンは白状せざるをえなかった。レッドソックスのキャンプから追っかけている彼にとって、この休暇は既にシーズンの幕開けなんである。
リンジーはそんな彼を「ロマンチストなのね」と理解するものの、ベンは「ただのファンじゃないんだ。熱狂的なファンなんだ」と念を押す。自分のことが判っているってことだし、そのことで何度も女性と上手く行かなかったから。
リンジーはそれを聞かされて、そんな過去の女たちに負けるわけにはいかないという思いもあっただろう。ベンからプロポーズするようにひざまずいて開幕試合のチケットをプレゼントされ、この時はニッコリと承諾したんだけれど……。

そもそものつまづきは、休暇で実家に帰ったリンジーが、テレビに映し出されたレッドソックスのキャンプ地で、「熱狂的なファンとしてのベン」を見てしまったからだった。もう驚いて引きまくる。一緒に観ていた父親は、バカだな、と舌打ちするし。
でもそれは聞かされていたことなんだからと彼女は気を取り直して、ベンと開幕戦に出かける。
筋金入りのファンが集結するシーズンチケットの席、彼の“夏の家族たち”が無知なリンジーを冷ややかに眺める中、リンジーはその持ち前の勤勉さでレッドソックスを猛勉強し、彼らと同じように情熱的に応援する。
この時点で彼女もまたソックスファンになったようにも見えたんだけれど……。

次のつまづきは、ファウルボールがリンジーの頭に直撃してしまったことだった。
この頃リンジーは昇進がかかった大事な時期で、球場にノートパソコンを持ち込んだりしてた。つまり、ベンとの溝が出来かけていた。
しかもこのシーンはテレビ中継され、ベンが気絶したリンジーをそっちのけで、ファウルボールをキャッチした友達とともに大ハシャギしてるのが映し出されていたもんだから、もう気まずさは最高潮なんである。
リンジーは仕事の正念場だから、これからは試合は観に行けない、試合の後に私に会いに来て、とベンに言い渡す。そうすればベンも自分も好きなことに集中できる。大人なんだからそれで問題ない、とお互いに言い聞かせて。

でも、もっと大きな問題が持ち上がってしまったのであった。リンジーはベンを、パリの出張に同行しないかと誘った。つまり二人だけの初めての旅行。しかもパリ!でもベンはそれを、ヤンキース戦を理由に断わっちまうんである。
これが決定的だった。実はリンジーは「生理が遅れていた」のだ。そのことをベンに言うつもりだった。
恋人とのパリ旅行より、やっぱりレッドソックスを優先するベンに、落胆するリンジー。
一方のベンはうろたえつつも、自分の子供が出来ることにワクワクして、レッドソックスのベビーウェアを揃えたりする。もう男の子だと思ってる。
後に女たちの会話で、「赤ちゃんが出来たというと、男はみんな、そうなのよね(つまり男の子だと信じて疑わないってことね)」ってのはまさしくである。
でもリンジーは、もっと深刻だった。ベンが夫たる、父親たる人なのか、結婚した後のこと、出産した後のことなどを、すんごく真剣に考えた。
これから一生、私はレッドソックスを優先されるのかと。
「そんな僕が好きだと言ったじゃないか」
「私もあなたと同じ情熱でレッドソックスを応援したわ。あなたのために」

しかし、反省したベンは、「たかが試合だ」と自分に言い聞かせ、リンジーと共に彼女の友達のパーティーに出席、その夜は親密に愛しあって、「最高の夜だ」と彼女に甘く囁いた。
……のもつかの間、その日に限ってレッドソックスが7−0の大負けを最終回のウラでひっくり返したことを知り、ベンは激しく動揺し、落ち込むんである。
それまでの11年間、欠かさず見てきたヤンキース戦、ファンとしてこんな試合を見逃すなんて!と。
リンジーは、彼の言葉を繰り返し「たかが試合って言ったじゃない。たかが試合よ」となだめようとするんだけど、逆に彼女自身が傷ついてしまう。
だって、さっきまで最高の夜だって言ってたじゃない……もうダメだ、とベンと別れる決意をするリンジー。

リンジーに去られたベンは、惨憺たる状況だった。生徒からは「先生はレッドソックスを愛しているけど、レッドソックスは先生を愛してくれる?」などと諭されて、落ち込んだ。当のレッドソックスは連敗続きだし……。
ベンは愛するリンジーを取り戻そうと彼女の元に向かうも、「もうすぐシーズンオフだからそんなことを言うんだわ」と言われ、更に、「私は冬のあなたを好きになったの。でも夏のあなたに傷つけられた。夏がくればまた同じなのよ」と言われてしまう。グウの音も出ないベン。
もう、彼女を取り戻すことは出来ないのかもしれない。それでも、彼女を愛する自分に決着をつけたい、そう考えたのかベンは、あれほど自慢にしていた、亡き伯父から譲り受けたシーズンチケットを売り渡すことを決意するんである。

ところでね、ベンからチケットを買おうとしたのは、リンジーのライバルの夫なんだよね。
彼女はリンジーにキャリアを追い抜かれた。けれど先に結婚して勝った気持ちになってた。でもリンジーが幸福な恋愛の先に結婚したら、また追い抜かれてしまう。そんなバトルも描かれるの。
こんなところにも、三十路近辺の女の結婚問題が……。

で、リンジーは昇進が決まった日、ベンがチケットを売ろうとしていることを知るのね。
あんなに熱狂的なレッドソックスファンの彼が、シーズンチケットを売るなんて……。「私はそんな犠牲を払ったかしら?」リンジーは自問する。
「あなたのためにレッドソックスを応援した」なんて言ってた彼女、でもそれは犠牲なんかじゃない。というより、そんな考え方は傲慢なだけだ。
だって、ベンは好きなことに対して凄く素直で、ウソがつけなくて、だから凄く理想的な恋人なのよ。
ベンはリンジーに、自分の性癖ともいえるファンっぷりを正直に告白したし、パーティーに出席したのだって“犠牲をはらった”のだもの。でもそう言ったら彼女が傷つくということぐらいは、さしもの彼も判ってたから言わなかった。
でもこんな歴史的な試合を見逃してしまったら、本音が出てもやむをえまい。彼女の気持ちも判るんだけど、そこんとこは判ってほしい。
そこを乗り越えられなければ、彼についていけなかった今までの恋人と同じなのだ!

リンジーは、昇進のパーティーを辞して駆け出す。
このあたりのベタさが出来るのは、もはやドリューしかいないでしょっ。
優勝が決定するか否かの試合だから、もちろんチケットなんて残ってない。ダフ屋から法外な値段で外野席を買い取るも、ベンの席はグラウンドの向こう側。
観客から奪い取った双眼鏡で、ベンが今まさにチケットを売ろうとしているのを見つけ、「ダメよー!」と絶叫するリンジー、しかし聞こえるわけない。
リンジー、フェンスを乗り越え、グラウンドに墜落!そして、デキる女ファッションで大激走!
ま、これも予測は出来るベタさなんだけど、ドリューがやると似合うのよねー。カンタンに泣いちゃうもん。

これまたテレビ中継される。ホント、テレビ中継を上手く使ってるよなー。
実況解説者、「女性がグラウンドを走ってます。いい走りだ!しかも、美人です」ナイス!
警備員に追っかけられるも、時には選手をタテにし、絶妙に交わしながらパワフルに走るリンジー。さすが、普段ジムのバイクマシンで鍛えているだけある!
大歓声の中、ベンのいるバックネット側にたどりつくリンジー。
「チケットを売っちゃダメよ!」「それを言うために?」ビリビリと契約書を破り捨てるリンジー。
しかしここでベンが聞くのは、「芝はどんな感じだった?」(笑)
そりゃ憧れのスタジアムの芝をじかに踏むことが出来るなんて、ファンには垂涎のまとだろう。
警備員が近づいてくる。彼女の腕を取る「私、逮捕されちゃうわ」「そんなことさせない」
彼女を抱き寄せてキス!満場の拍手喝采!あー、気持ちイー!

ベンを演じるジミー・ファロンは、この役にピッタリでとてもキュート。ドリューにあてがわれるのはこーゆーとっぽい男なのよねー。身長が大して変わらないんじゃないかというあたりが、カワイイッ。
ドリュー曰く、「ジミーとは、『サタデー・ナイト・ライブ』で何度か一緒に仕事をしていて」へえー!!
ドリューのコメディエンヌの素晴らしさは、本場で鍛え上げられたものなのね!

ラスト、解説されてた、あの奇跡的な状況での試合を観戦、興奮した二人がグラウンドに下りたって歓喜の中抱擁しまくり、キスしまくりも、じつにハッピーだよなあ。

いやー、絶対これ、「2番目のキス」は違うでしょ!★★★☆☆


トップに戻る